スポーツビジネスに対する感想

 最近、スポーツビジネスに関する本を読んだり、講演会を聞いたりしているが、どうも違和感がある。そこでその違和感を考えてみたところ、次の三つの原因があるように思う。

1.メジャースポーツの話ばかり
 野球やサッカー等のメジャーなスポーツのばかりで困ってしまう。私は、アウトドアスポーツのようなマイナーなスポーツに興味があるので、野球やサッカーなどのビジネスのやり方が果たして、アウトドアスポーツにそのまま適応できるのか疑問を持っている。
 川崎フロンターレの仕掛け人の天野春果が面白い本を書いている。本書で気になったのは、サッカービジネスは「農業と同じ」と考えていることだ。これは面白い考えだと思う。確かに、サッカーはフィールドで戦い、農業もフィールド(畑)で作物を育てる。球場での盛り上がりは、まさに農業の豊作の祭りそのものの楽しさだ。だとするとアウトドアスポーツは、何に対応するのか、考えてみると、放牧や遊牧なのではないかと感じる。確かに、ダカールラリーのチームはまるで遊牧民さながらの生き方だ。私自身も最近手袋を買ったが、なぜか手袋についているカウボーイの写真が妙に気に入って、買ってしまった。いつか、放牧や遊牧の体験コースにも参加したいな。

2.見るスポーツの特化していて、やるスポーツに特化していない
 スポーツをやるのではなく、見るスポーツのビジネスに集中しているということだ。例えば、登山は登ってこそ楽しいのであって、人が登っているのを見てもそれほど面白くない。山ガールは登山客を見るのでは、自分で登るのが好きなのだ。
 しかし、最近では栗木史多がエベレスト登山をライブ中継することによって見る登山の分野を切り開いてる。そういう方面もあるのかな。

3.儲かるスポーツにしか興味がない
 野球やサッカー等はもともと企業が経営しており、企業のPR活動の一環としてやってきた歴史があるので、止むを得ないが、儲かることばかりでは雇用創出はできないと思う。講演会の座長も企業スポーツ(企業が支援するスポーツ)はいずれ衰退すると指摘しているように、企業中心のスポーツは無くなるか、違った形になるのだろう。
 大企業が大きなお金を広告代理店に支払ってスポーツをアピールするというやり方も私は貧乏人のせいかどうもしっくり来ない。そもそもインターネット時代にはマスの顧客に向かって一般受けするマスの商品を提供するというやり方はそぐわないと思う。