リストラはいいこと?

 先日、NHKの税についての番組を見た。日本とスウェーデンの税負担に対する感じ方の違いのVTRを見た。スウェーデンの方が日本より税負担率が高いのに、スウェーデン人の税負担の感じ方は日本より低いのだ。
 スウェーデンでは、失職した人は職業訓練学校に数ヶ月通い、新しい技術を身につけて新しい職種に就くのが一般的となっている。スウェーデンの企業は競争が激しく、利益の出る事業にのみ集中し、リストラを行なっている。日本の様に駄目な企業を公的資金等で守るという方針とは異なっている。
 スウェーデンの企業の担当者が「リストラしやすいので、とても助かっています」という言葉を聞いて、私はビックリした。私を含めて多くの日本人は「リストラ=悪」であると思い込んでいた。何とか仕事を失うまいとして正社員を目指すのが当たり前と思っていた。しかし、実はリストラは良いことなのかもしれないと思えてきた。実際、スウェーデンではリストラを断行した会社は利益を上げ、政府にも税金が入ることになった。確かに、今の様に変化の激しい時代には企業だって、正社員の様にお荷物(ちょっと言い過ぎ?)を雇う余裕はない。
 社会全体からすれば、うまく行く(利益を生み出す)組織が利益を生み出す様に構造変容(restructuring)を遂げなくてはならない。人体等の組織の細胞ではこれは当たり前だ。とにかくこの番組を見て、リストラに対するイメージが変わってきた。日本もスウェーデンのようにリストラされても新しい技術を学び、新しい職種に挑戦させる仕組みが必要だ。