機嫌の良い人と機嫌の悪い人

 私は、学者業界、スポーツ業界などを見てきたが、最近、組織には二種類の人間がいることに気づいた。それは、機嫌の良い人と機嫌の悪い人だ。
 機嫌の良い人は、自分の仕事が好きで、文字通り、仕事中も機嫌が良い。自分の仕事が好きなので、他人が分からないことで困っていると、喜んで教えてあげる。教師としては最高である。
 しかし、一方、機嫌の悪い人というのは、本当は自分の仕事を好きではないが、たまたまそのことを続けてきたという人だ。この人達は、受験勉強や資格取得など嫌いなことを我慢して乗り越えてきたので、他人も自分と同じ苦しみ(努力)をするとことが当然だと思っている。だから、初心者にとっては手厳しく、いじめる側に廻るのだ。彼らは、自らは自覚していないが、その仕事が好きではないが、その仕事にぶら下がっていて、追い出されるのが恐ろしいので、組織の規則を重んじて、組織の番人となる。彼らは幸せではないので、いつもしかめっ面をしていて、他人の間違いを鋭く見つけ、追求するのだ。こういう類の人達は先輩・教師としては最低で、教えるのも下手である。
 どこかのブログに書いてあったが、日本社会のルールは、上下関係と空気を読むという二つがあるそうだ。この機嫌の悪い人達は、この二つのルールを必死で守ろうとする。機嫌の良い人は、ルールはあるが、常に変更可能だと考え、おおらかである。この二種類の人間は業界にかかわらず、日本社会に存在する。あるいは社会全体の普遍的なものかもしれない。だが、これからのグローバル社会は、単なる上下関係や空気を読むということでは乗り越えることができないと思う。今までは、この老朽化したルールが役に立っていたのかもしれないが、これからは違う。真の能力・人格等に基づく、人間関係の構築が必要と思われる。
 自分が機嫌の良い人になるには、自分の好きなことを見つけなければならない。残念ながらそれには座って待っていれば良いのではなく、自ら動いて実践し、何が自分に向いているのかを体験しなければならない。