ブレードランナー

 ブレードランナーは私の好きな映画だ。舞台は未来社会のロサンゼルスで、香港の下町をモデルにしているらしい。レプリカントと呼ばれる人造人間が奴隷のように扱われる時代となっている。宇宙船から4人(映画では4匹と言われている)のレプリカントが逃げ出し、地球に潜伏した。そこで、ハリソン・フォードが演じるブレード・ランナーと呼ばれる殺し屋が雇われ、レプリカントを追跡するという話だ。
 自分を生み出した人間(父親?)を探し出し、自分の寿命を知ろうとして懸命に探し続けるレプリカント達に同情してしまう。

 蛇使いに化けていた女レプリカントのゾーラがハリソン・フォードに撃たれるシーンがとても感動的。音楽とスローの撮影がマッチして、よく作られている。まさに芸術的なカットだ。撃たれるシーンをこんなにも美しくはかなく捉えることのできる監督リドリー・スコットの作り上げた名シーン。
ゾーラが撃たれるシーン

 逃げ出したレプリカントのリーダーを演じるのが、リトガー・ハウアー。映画の最後で、ハリソン・フォードと対決する。最後にハリソン・フォードを追い詰めるが、仲間を殺した奴をぎりぎりのところで助けてしまう。四年という短い一生の出来事の思い出を語り死んでいく。せりふの中で、「雨の中の涙」と言っているが、自分の人生を雨の中にまぎれて分からなくなってしまう涙のようなものだと表現している。なんとも泣けるシーンだ。

 映画の中では、レプリカントという人造人間のほうが、普通の人間よりも人間らしい。たとえ、四年しか生きられないレプリカントでも必死に生きようとする姿がSFという枠を超えて、感動を与えるのかもしれない。

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