弘法筆を選ばず、ではなく、弘法筆を選ぶ、である

 私は、英文タイプライターを使っていたこともあり、キーボードにはかなりこだわる。
 まず、かなキーで日本語を打つくせに、私は日本語のキーボードは嫌いだ。スペースキーは両手の親指で押すので、スペースキーが狭いと使いにくいからだ。日本語キーボードは、英文タイプライターのように両親指で打つという文化がなかったためか、いらないキーが多く配置されていて使いにくいのだ。
 私は、UNIXでVI(なんと古いエディターか。でもとても軽くて、どんなUNIXにも標準装備)を愛用しているので、どうしてもESCキーが左指の届く範囲にないと、作業が滞ってしまう。この点でも、日本語キーボードは、ESCの場所に漢字変換キーがあるので、どうしても使いにくくなる。
 だから、私は英語版のHappy Hacking Keyboard Professionalを愛用している。ESCの場所も、スペースキーの長さも十分で、なによりもキータッチは最高にいい。やはり、値段も24000円ぐらいなので、かなりの出費になるが、その価値は高い。
 よく使う矢印キーがついていないので、漢字変換がやりにくいのが、唯一の不満だろうか。その後のモデルでは、その点も改良されて、矢印キーが邪魔にならない位置に配置されたようだ。
 仕事でキーボードを使う人は、キーボードの種類にこだわるべきではないかと思う。よく映画で見かけるが、カーボーイが旅の途中で馬が死んでしまっても、馬の鞍を外して、担いでいくシーンがある。これは、馬は交換できるが、鞍は自分の体に触れる部分なので、交換が不可能なのだ。弘法筆を選ばず、ではなく、弘法筆を選ぶ、なのだ。キーボートもプログラマーが直接肌に触れる部分なので、もっと気を使うべきだと思う。

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PFU Happy Hacking Keyboard Professional2
製造元PFUサイト