大阪立て直しの処方箋:高校教育の質を高めよ

Increase Osaka Education Quality of High Schools!

政府統計データの解析から、大阪府の立て直しには高校教育の質の向上が必要であることが分かった。他に、保育園・幼稚園の数、小学校、小学校教師の数等も経済活性化に有効であることが分かった。

Governmental statistic data analysis revealed that educational quality like high school is the most important for Osaka economy. Furthermore, increasing the number of kindergartens, elementary schools, and their teachers is also critical.

政府統計データe-Statを利用し、大阪府のデータを解析した。大阪府の経済的要因124個を抽出し、ネットワークを描くことで、大阪府の隠れた活性化要因を見つけようと思う。
大阪府の経済要因ネットワーク図
124個の要因のネットワークは下記のようになった。

仕事中心と生活中心
大阪府の要因ネットワークは大きく2つの極に分かれた。それは「仕事中心の世界」と「生活中心の世界」だ。図では、上側の赤い部分が「仕事中心の世界」があり、下側の緑の部分が「生活中心の世界」となっている。
「仕事中心の世界」は、主に、大人や従業員関連の要因からなっており、「生活中心の世界」は世帯関連の要因がひしめき合っている。
この大きな2つの極とは別に、「生活中心の世界」の近くに学校と老人からなる「教育の世界」が存在する。おそらく、学校制度と老人の生活とが何らかの形で結びついているのであろう。

どの指標が良いのか?
各経済要因の相関係数を計算し、経済要因同士の強さとして相関係数を使って、要因ネットワークを描いた。ネットワーク内における要因(ノード)の重要性はグーグルランク等の指標で測ることができるが、隠れた経済要因を見つけるためにbetweennessという指標を計算してみた。betweennessとはネットワーク全体の中でその要因を必ず通過しなければならないボトルネックとなる弱点(?)を測るための指標である。このbetweennessに注目して解析してみよう。

Betweennessトップ10

このbetweennessの指標で見ると、「労働者数」、「一般世帯数」がそれぞれ1位、2位となっている。労働者や世帯数が増えれば、経済が活性化するのは当然であろう。
ここで注目して欲しいのは、「学生1人当たりの高校数」(3位)、「園児1人当たりの保育園・幼稚園数」(6位)、「児童1人当たりの小学校数」(9位)、「児童1人当たりの小学教師数」(10位)という教育関連の要因が上位に入っていることだ。元大阪市長橋下徹氏が教育改革について熱く議論し、変革しようとしているのも合点がいく。大阪において教育への投資が最も経済活性化に効いてくるのだ。
他には「郵便局数」も4位となっており、コミュニティの中心として郵便局の役割が重要になっているのかも知れない。

大阪経済の概要
前掲のネットワーク図を簡略化すると以下のようなダイアグラムになる。

ここで注目すべきは、真ん中に位置する「税金収入額と納税者数」である。他の自治体では「税金収入額と納税者数」は「仕事中心の世界」の中か近く位置するのが普通であるが、大阪の場合は大きな極(仕事中心の世界と生活中心の世界)の間に位置している。税金関連要因が大きな要因群から離れているということは、他の要因の影響を受けにくいという事で、税金自体の収集が難しいことを表していると言える。大阪が財政難に苦しんでいるのも、このダイアグラムを見ると一目瞭然である。税金関連要因に隣接しているのは、「金融業を含めた第3次産業労働者数」と「一般世帯数」であるので、税金を増やすにはこの要因を増加させる必要がある。

高校数の少ない市区町村
人口に対する高校数が大阪の活性化につながっている。従って、人口に対する高校数が少ない市区町村に対し、高校数を増やし行くのが良い政策であると思う。人口に対する高校数の少ない市区町村は以下の通りである。とりあえずは、人口密集地域にある大阪市の東成区、東住吉区、西区、浪速区淀川区堺市の北区に高校を作ることからはじめるのが良いだろう。

大阪は教育重視の政策が必要
以上のように、大阪の活性化には教育へ投資が重要である。特に、高校、小学校、小学校教師、保育園・幼稚園を増やすことが早急な課題である。長期的視野に立てば、教育への投資が最も大阪の発展につながり、経済が活性化すれば、次第に財政難の問題も解決するのではないかと思う。