体力をつけてこそ、技が上達する

 体力とは、つまり心臓の強さだと思う。外界からの負荷に対して心臓が強ければ、疲れていても回復力がある。私は、体力とは、外骨格の筋力のことだとずっと思っていたが、そうではないことに気づいた。たとえ、外骨格の筋力が弱くても心臓が強ければ、負荷に耐えることができるので、体力があると言うことになる。
 ハンググライダーを始めてみたが、思ったのとは違って、あまりにも体力がなくて、機体を操作するどころではなかった。疲れすぎてしまい、機体を支えられず、機体がぐらぐらしていてはまっすぐに飛べないのだ。そこで、私は少しずつ体力をつけるように走ることにした。あせらずに、自分のペースで体力をつけるようにした。
 プロゴルファーの青木功が「体・技・心」の順序が重要だと言ったそうだが、私の経験でもその通りである。体を鍛えて、体力ができてこそ、技に集中できるのだ。まだ、心のフェーズまでは見えてきていないが、その内、心の問題が出てきて、心を鍛える必要性が出てくるのだと思う。

 「心・技・体」と言う言葉有名であるが、これは柔道家の道上伯がフランス柔道家の「柔道とはいったい何か?」の問いに、「心・技・体」と言う言葉で説明したのが始まりだと言われている。その元になるのが、明治44年出版の古木源之助の柔術独習書に柔術の目的として明記されている以下の項目だそうだ。
1)身体の発育(体)
2)勝負術の鍛錬(技)
3)精神の修養(心)

順序としては「体・技・心」となっているが、本書では一つだけではなく、三つとも相互に関連して学ぶ必要があると書いている。
 現在の日本では、精神論として「心・技・体」と説かれるのが一般的ではあるが、原典では、順序をつけていない。私の経験では、むしろ発達の段階は、体→技→心のようになっている。

参考記事
柔術独習書 古木源之助著 嘉納治五郎序文